2020/09/03
- New Zealand
キウイハズバンドとは?家事、育児を手伝うニュージーランド人の夫
ニュージーランド人の夫を呼ぶときに、「キウイハズバンド」という言葉を使うことがあるのはご存知ですか。
キウイハズバンドは「家事や育児に協力的な夫」を表す言葉で、日本人の女性にとっては”理想的な旦那様”と思う方もいるかも知れません。
今回は、このキウイハズバンドの由来と、ニュージーランド人にはなぜ家事や育児に協力的な夫が多いか、についてご紹介します。
ニュージーランドで働きたい、暮らしてみたいと思っている方は、男女平等の先進国であるニュージーランドについてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
キウイハズバンドの語源について
キウイハズバンドの「キウイ」はニュージーランドの国鳥で、ニュージーランド人にとって馴染み深い鳥、「キーウィ」からきています。
ニュージーランド人は、キーウィの変わった育児方法で、を自分たちに重ね、自分たちのことをキウイと呼びます。
キーウィの育児方法は、メス鳥がとても大きな卵を産卵し、オス鳥が卵をあたためて孵化させるまでを担当するというものです。
子育てに協力するニュージーランド人の旦那様の姿が、
オス鳥が卵の孵化や子育てを手伝う姿に重なるため、キウイハズバンドと呼ばれるようになりました。
ニュージーランド人の旦那様は、生活のあらゆる面において当然のように奥様をサポートし、また子育てにも大変協力的です。
例えば、奥様が料理をすれば、旦那様は後片付けを担当します。
お客様が来たら、奥様が歓談を楽しむ傍らで、せっせとバーベキューの肉を焼いたりします。
子供の送り迎えや休日のスポーツやアクティビティに連れて行くのも、旦那様の役目です。
ニュージーランドでは、父親が家事に協力する姿を見せて子育てすることで、
子供たちは「家事や育児は夫婦が協力しておこなうもの」ということを自然に学びます。
日本でいうイクメンにあたるのがキウイハズバンドなのです。
ニュージーランドは男女平等の先進国
キウイハズバンドのような旦那様が多い背景には、女性が活躍しやすい男女平等社会というニュージーランドの社会基盤があります。
実は、ニュージーランドは毎年「女性が働きやすいランキング」で上位に選出され、過去に1位を取るほど女性が活躍している国なのです。
女性の社会進出や政治参加などを数値化し比較した「2019年男女平等度ランキング」*では、ニュージーランドはアジア・オセアニア地区で1位、世界153ヵ国中で6位となっています。
日本のアジア・オセアニア地区で21位、世界では121位と比べると、女性が活躍しているということが分かるのではないでしょうか。
その他にも、ニュージーランドは高水準な男女平等先進国だと示すデータがありますので、ご紹介していきましょう。
共働きが当たり前
ニュージーランドでは、仕事と子育ての両立ができる環境が整っています。
女性も会社で主要なポジションに就いているケースも多く、「男女間の賃金格差」が非常に小さい国として知られています。
『データブック国際労働比較2019』*によると、その数値は7.2%(2019年現在)と、他の先進国と比較しても低く、過去5年をさかのぼっても10%を超えたことはありません。
欧米諸国の先進国である、イギリスやドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアでは、
男女間の賃金差は15~20%で、日本は24.5%、韓国は34.6%です。
このことから、日本のみならず他国と比べても、ニュージーランドの男女賃金差がいかにも少ないかということがわかるでしょう。
賃金格差が少ない、ということは「男女の稼ぐ力」の差が少ない、金銭面からも、男女平等な社会といえます。
また、男女の所得に差がないだけでなく、雇用機会や職務内容にも性別による隔たりはありません。
これが、ニュージーランドが「男女平等」先進国といえる所以でしょう。
妻の収入が多い家庭では、男性が育児休暇を取得して、子育てが落ち着くまで育児を担当する専業主夫になる、というケースもあります。
ニュージーランドでは「女は家に入って子育てをし、男は外に出て仕事をする」という考え方ではなく、キャリアや出産、子育てについての柔軟な考え方が、一般的に広まっているのです。
女性の首相が世界初の産休取得
ニュージーランドの女性の社会活躍を裏付ける一つの事実としてよく知られているのが、女性初の参政権を獲得した国であり、過去2回、女性首相が誕生しているという点です。
2018年、ニュージーランドの首相であるジャシンダ・アーダーン氏が任期中に産休を取り、6月21日に赤ちゃんを出産しました。
首相が任期中に産休を取って出産した事例は、世界で初めてのことです。
アーダーン氏は6週間の育児休暇取得後に仕事に復帰し、その後赤ちゃんの育児は旦那様が受け持っています。
男性が育児をおこなって女性をサポートするという事例を、首相みずから示し「それが当たり前の社会」だと国民や世界に対して発信した象徴的な出来事でした。
この出来事は、世界中に反響を呼びました。特に日本からは「首相が産休を取るのが当たり前の社会」がかなり先進的に映り、称賛する意見が多く寄せられました。
ニュージーランドは、日本のみならず、世界中の国にとっても、男女平等な社会制度が整っている模範の国といえるでしょう。
ニュージーランドは、女性が活躍するための基盤ができていて、キウイハズバンドのように、当たり前に男性が育児に協力する体制が整っている世界有数の男女平等社会です。
データからや事例から見ても、現在、日本が目指している「女性が活躍できる社会」を、ニュージーランドではすでに実現しています。
「重要なポジションで仕事をこなし、バリバリと活躍したい」と考えている女性の方は、ぜひニュージーランドで働くという選択肢もあること、そして海外で自分らしい生き方をしてみてはいかがでしょうか。